2.大腸癌の二次検診について

 1990年に始まった便潜血反応による大腸癌検診は、その有用性が確認されています。
 その二次検診の方法について書きます。

 大腸は深部から、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字状結腸、直腸とあり、肛門に至ります。

 大腸検査には、内視鏡を用いる大腸ファイバー検査と造影剤を用いる注腸検査があります。
 大腸癌検診で便潜血が陽性の場合は、二次検診として大腸ファイバー検査が行われます。
 腹部の手術歴など何らかの理由で大腸全体の内視鏡検査ができない場合でも、少なくとも直腸とS字状結腸までは内視鏡で見て、それより深部を注腸検査で検査することになっています。
 それは、大腸癌の8割近くが直腸とS字状結腸に生じることと、この部位は注腸検査で十分検査できないからです。
 私も、大腸ファイバー検査を終えてまさにファイバーを抜こうとした時に、肛門近くにわずかに盛り上がった小さな病変を見つけ、癌であったことがあります。このような癌は、注腸検査では見つけることができませんし、触診でも分かりません。
 注腸検査だけでは不十分であることを知っておいて下さい。

 また、大腸ファイバー検査を受ける際には、可能であれば同時に上部消化管の内視鏡検査も受けることをお勧めします。
 せっかく長時間の絶食に耐えて検査を受けるのですから、特に病気療養中の方でなければ、同時検査がお勧めです。
 同時に受けた上部の検査で早期胃癌が見つかり、とても感謝されることがあります。